鶴ケ島町史『通史編』を刊行いたします。本書により初めて、町の自然と歴史とが総合的に把握できるようになりました。
鶴ケ島の町史編さん事業は、以下の四点を基本方針として、昭和五三年度より取り組んできました。
(1) 日本史全体との有機的関連を考え、大きな歴史の中に鶴ケ島の歴史を据える。
(2) 単に鶴ケ島区域の歴史にとどまらず、将来あるべき町の姿を考え、大きな視点に立って編さんする。
(3) 新しい歴史学の観点から科学的な調査を行ない、通史を裏付ける資料編を併せて刊行する。
(4) 庶民的な文化遺産を大切に取扱い、町民生活に結びついた親近感のある読み易い町史(通史編)とする。
以来、本編五冊、中間報告書一三冊を刊行し、町に関係した諸事象につき解明と啓蒙に当ってきました。そしてこの度、事業の中核ともいうべき『通史編』の刊行にまでこぎ着けることができた訳ですが、このことは、町史編さん上の一大事業であり、さらに、鶴ケ島の文化に大きく貢献するものと自負しております。
本書刊行にあたり、資料提供者を始めとする町民の皆様より、暖かい御理解と御協力を頂きました。心より感謝申し上げるとともに、一人でも多くの方々が本書を活用されて、一層郷土への理解を深め、先人の足跡を当町の輝かしい未来への発展の糧とされることを念願し、発刊のことばといたします。
昭和六一年一二月