刊行にあたって

鶴ケ島町史編さん委員長 伊藤喜八

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 鶴ケ島に町史編さん室が設置されたのは、昭和五三年四月のことでした。その後、関係者各位の献身的なご努力と資料所蔵者のご協力により、数多くの中間報告書を刊行して参りました。また本冊としては、昭和五七年の『鶴ケ島町史 近世資料編Ⅰ』の刊行を皮切りに、四冊の資料編と一冊の別編を刊行致しました。
 そしてこの度刊行となった『通史編』は、豊かな自然と歴史に恵まれて発展する、私たちの郷土鶴ケ島の姿を、ふんだんな資料を活用して詳細に記述したものです。
 町史編さんの目的は、「本町の歴史的過程を明らかにし、町民の郷土に対する理解を深めるとともに、貴重な文化遺産を永く後世に伝え、町民文化の向上に役立てる。」(鶴ケ島町史編さん概要)ことにあります。町史編さん事業の中心ともいうべき『通史編』の刊行は、これら目的の実現に寄与すること極めて大であると確信します。
 本『通史編』が刊行されるに至るまでには、前述のとおり、非常に多くの方々の知恵と力の結集がありました。町民の皆様は、かけがえのない貴重な資料の数々をご提供下さいました。また、編集委員、調査協力員の諸先生方は、ご多用の中惜しみなく調査・資料収集・研究・解明・執筆・編集・校正に当たられました。とりわけ、ご高齢にもかかわらず精力的に執筆と監修に当たられた、前編集委員長藤倉寛三先生のご努力は、驚嘆に値するものでした。
 ここに、関係者各位のなみなみならぬご労苦に対し、深甚なる敬意と感謝を申し上げ、刊行のことばと致します。
        昭和六一年一二月