鶴ケ島の「雨乞い行事」

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東京の水不足の状況を報じた八月九日の午前七時半の文化放送のニュースは、ひきつづき「今日、埼玉県の鶴ケ島村で全国でも珍しい『雨乞い行事』が、一五年ぶりにおこなわれる」と放送した。
 連日の干天に悩まされている埼玉県の鶴ケ島村では、雷電池(かんだちがいけ)に古くから伝わる雨乞い行事を復活し、今日とりおこなうことにしました。

 この行事は、竹でつくった大蛇をかついだ二百人ほどの村人が近くの神社から池までねり歩き、群馬県板倉村の雷電神社からいただいたお水とともに池に運びこみ雨乞いを祈願するもので、地元ではその御利益(ごりやく)に大きな期待をかけています。

 この祈願のお陰か、八月二〇日には待望の雨が降って、水不足が一息ついたという記録が残っている。
 この雷電池の「雨乞い行事」は、その後、昭和五一年と昭和五四年にもおこなわれ、現在では四年に一回おこなわれている。その行事の一切は、テレビにも収録され放映されたこともあるので、ご承知の方も多いことと思われる。しかし、現在では、その目的は本来の「雨乞い」にあるのではなく、伝統的行事の保存のため「脚折雨乞行事保存会」の手でおこなわれている。