まず水位の見られる浅井戸を沢山選び、地表からその水位までの深度を巻尺などで計る。そこの地表標高を地形図から読みとったうえ、水位を標高に換算する。これらのデータをもとに地形等高線を引く要領で書きあげたものが「地下水面図」である。図―1に示したものは、昭和五〇年に新藤静夫氏らによって調査された資料をもとに描いた鶴ケ島、坂戸周辺の地下水面図である。
さきほども述べたように、地下水も「水は低きに就く」の道理に従うならば、地下水位の高いところから低いところにむかって、最短距離を流れていくはずである。この考えにもとづいて書きあげたのが図―1にある矢印で、地下水の流れる方向を示している。この矢印を「流線」と呼んでいる。そして地下水面図と流線を組み合わせたものを「流線網図(りゅうせんもうず)」といっている。
図1-1 坂戸・鶴ケ島台地の浅層地下水流動状況 新藤(1975)の測水資料から作成したもの