高麗(こま)川がつくった扇状地

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坂道の多いことは鶴ケ島の地形が複雑なことを示している。雷電池、逆木池、池尻池などの地下水を水源にもつ湧水が小河川となり、台地を切りきざみ、谷をつくったことが鶴ケ島の地形を複雑にした原因である。
 今、頭のなかで、これらの小河川がきざんだ谷筋を埋め立てならしてみると、日高の高麗付近を要(かなめ)とした扇状の地形が復元できる。このような地形を扇状地と呼んでいる。鶴ケ島の台地は、かつて高麗川がつくりあげた古い扇状地なのである。扇状地とは、山地から平野に流れこんだ河川が山地の出口に土砂をため、扇のような地形をかたちづくることから名づけられたものである。扇の要にあたるのが日高町、中央にあたるのが鶴ケ島町、端にあたるのが坂戸市とも考えられる。それぞれを、扇頂部、扇央部、扇端部と呼んでいる。
 ここでは高麗川のつくった古い扇状地を「高麗川扇状地」と称し、その扇状地を含む台地一帯を「坂戸・鶴ケ島台地」と総称することにしよう。