地形区分のおさらい

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すでに、鶴ケ島周辺の台地を詳しくみると、いくつかの段丘に区分できることを述べた。このように地形がつくる平らな面―地形面―に注目して、地図を色分けしたものを「地形面分類図」と呼んでいる。図―3に示したものは、坂戸・鶴ケ島台地周辺の地形面分類図である。
 地形面区分の基準は、それぞれの地形面の高さ、侵食の度合、地質の違いなどに注目して決めるが、不思議なことに、洪積台地の地形面の高さ、性質には、日本全国だけでなく、世界各地に共通性が認められる。すでに南関東の段丘を低い方から、「立川」、「武蔵野」、「下末吉」、「多摩」の四つの段丘(面)に区分し、その名前を鶴ケ島周辺にあてはめたのも、そのためである。図―3もこの区分にしたがっている。

図1-3 坂戸・鶴ケ島台地地形分類図

 鶴ケ島周辺で多摩面に相当するものは、山地に近い丘陵面がそれにあたり、高麗神社裏手のゴルフ場、宮沢湖付近にみられる。下末吉面は高萩から女影にみられるやや侵食された台地がそれにあたり、詳しくみると高度差から、さらに上下の二面に区分される。この下末吉面が入間川の古い扇状地がつくる地形面に相当することも、すでに述べた。
 武蔵野面に相当するものが坂戸・鶴ケ島台地であり、とくに上流部は高麗川の旧扇状地にあたり、下流部の比較的平坦な台地面は、地下に潜りこんだ下末吉面の形状を残した複合面の可能性がある。
 立川面は高麗川沿いと入間川沿いにかぎられ、一番低い段丘面をつくっている。この面は下流側にむかって傾斜し、沖積層面下に埋没する。高麗川沿いの沖積面の下に埋没谷があることも説明ずみである。