大きく分けて四つの段丘面、そして沖積面とその下に潜む埋没谷が、どうして形成されるのか、その答はつぎのように説明されている。
まず地盤の上昇が断続的におこなわれ、それにしたがって河川の侵食が段階的にすすむ「地殻変動」の考え方がある。それと現象的には全くおなじであるが、地盤が上昇するかわりに、海水面の変動にしたがって河川の侵食度も変化する「海水面変動」の考え方もある。
最近では、段丘がつくられた最新の地質時代である第四紀には、前後四回の氷河期がおとずれたことがわかっている。また、氷期のたびに、海水が氷河となって大陸に引き上げられるために、海水面が低下し、逆に暖かい間氷期になると氷が解けることで、海水面が上昇したことも証明されてきている。段丘や埋没谷の形成の大筋は海水面の変動にあり、それに地殻変動の影響が重なっているとみるのが妥当である。
鶴ケ島の地形、地質もこのような世界的な規模の変動のなかで、形づくられた歴史をもっている。