年較差

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夏と冬の月別平均気温の差(年較差)は、気温の低いところほど、つまり北半球では北ほど、また内陸ほど大きい。昭和二六年(一九五一)から昭和五五年(一九八〇)までの各地の年較差は、北海道の旭川が二八・九℃で最大であり、最小は沖縄の那覇の一一・九で、全国の観測点の平均は二一・九℃である。較差の小さい地域は、太平洋側の島や沿岸によって占められているが、これは比熱の大きな海により温度変化が緩和されているためである。逆に、陸地の比熱は小さいため温度変化は大きくなる。

図1-5 年平均気温分布図(℃) (1941-1970)
『埼玉県の気候』より


図1-6 一月平均気温分布図(℃) (1941-1970)
『埼玉県の気候』より


図1-7 八月平均気温分布図(℃) (1941-1970)
『埼玉県の気候』より


図1-8 年降水量分布図(mm) (1941-1970)
『埼玉県の気候』より

 埼玉県は内陸部に位置しているため、全国平均よりも若干温度変化は大きい。各地の累年記録による較差は、大部分が二三℃台であるが、二四℃以上が五ケ所ある。野上が二四・五℃で最も大きく、秩父(二四・二℃)、川越(二四・二℃)、小鹿野(二四・一℃)、鶴ヶ島(二四℃)と続く。年毎の変動も少なくはないが、それにしても、平地の川越と鶴ケ島がこの五ケ所に含まれるということは、入間地方に何らかの特異性があるということかも知れない。