集中豪雨

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雨の降り方には、梅雨期のようにじとじと長く降り続くものと、梅雨明けや台風、雷雨によるもののように短時間に大量に降る雨とがある。浸水害は多く後者によって起る。
 一日当りの降水量としては、熊谷で昭和五七年(一九八二)九月一二日の台風一八号による三〇二ミリという記録がある。この日鶴ケ島の降水量は一九七ミリあり、低地の浸水害を被った。鶴ケ島の最多記録は、昭和三三年(一九五八)九月の狩野川台風の時の二七八ミリというものである。
 一時間当りの雨量や一〇分当りの雨量は雷雨によるものが多い。熊谷では一時間八九ミリ、一〇分間三六ミリの雨量が、昭和一八年(一九四三)九月三日の雷雨によって記録されている。この一〇分間当りの雨量は、全国八〇ケ所の観測の中で、高知県の足摺岬の四九ミリ等に続く四番目の記録となっている。このような降雨は、まさにバケツをひっくり返したようなもので、少しの低地でも浸水が起こる状況となる。