長さの同じ昼と夜―三月

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気象学上は、春は三月から始まる。三月三日が雛祭り。桃の節句ともいうが、桃にはまだ早い。これは旧暦のこの日が丁度桃の花の咲く時期に当ることから名付けられたものである。
 この時期、スギの花粉症が話題にのぼりだす。また六日頃を啓蟄(けいちつ)といって、冬ごもりの虫がはい出る日とされる。三月は、植物や昆虫たちにとって、まさに活動開始の季節である。
 二一日頃が春分の日、太陽は赤道上を直射して、昼夜の長さがほぼ等しくなる。この日を中日としてその前後の七日間が彼岸である。「暑さ寒さも彼岸まで」というように、気温は好適となる。しかし下旬から四月にかけて、梅雨ほどではないが雨天が続くことがあり、同じ時期に咲く菜の花に因んで菜種梅雨と呼んでいる。