田植と麦秋―六月

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六月から気象学上の夏となるが、夏というにはやはり早い。
 この月は九月と並んで雨量の多い月で、この雨によって日本の稲作は成り立っている。入梅は、沖縄・奄美では五月中旬、関東では一〇日前後である。梅雨入後の中休みの晴間が本来の五月晴。晴れた日の夕方は気温も二〇℃を越える位で、日も長くとても快適である。
 本格的な梅雨に入る前に、麦の取り入れが行なわれる。そのためこの時期を麦秋ともいう。最近は麦作、稲作共に少なくなっているが、麦の収穫と田植えとが重なるこの月は、農家にとってはてんてこ舞いの忙しさである。
 二二日頃が夏至となる。この日は、北半球では一年中で昼が最も長く、夜が最も短い。