冬の気配―一一月

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一一月になると冬の気配が見えてきて、天候は安定する。特に文化の日の三日は、全国的に移動性の高気圧におおわれて、晴れの特異日として知られる。しかし、気温は平均一〇℃にまで下がるので朝晩の冷え込みが強くなり、そのため風のない晴れた暖かい日は小春(旧暦一〇月)日和と呼ばれる。上旬には立冬を迎え、木枯し一号の吹き抜けていく時期でもある。また紅葉も平地にまで降りてきて、雑木林をカラフルに飾る。下旬には、平年鶴ケ島でも初氷が見られるようになる。
 高倉では、二日、三日のおくんちに、町指定の民俗文化財である獅子舞が奉納される。その笛の音(ね)、ササラを擦(す)る音、鼓の響きは、なつかしい季節感に満ちている。九日は亥の子(いのこ)、一〇日は十日夜(とおかんや)。いずれも作神を祝う行事であり、また、これで収穫を終え冬に入るという節変りの意味も込められている。