一二月は、天候が一層安定して晴天が続き乾燥もすすむ。北西の風はより強まり、一面冬の景色に覆われてくる。県木のケヤキ(脚折の白鬚神社には、県指定の大ケヤキがある。)が、小枝の先までその姿を冴え渡る月光にさらす光景は、一段と寒さを感じさせるものである。平均気温は鶴ケ島で五℃を割り、最高気温も一二℃であるから、終日暖房が欲しくなる。
太陽の高度が一年中で最も低くなり、夜の一番長くなる冬至は、二二日頃。この日はゆず湯に入りカボチャを食する。例年、この頃から年末寒波がやってくる。
この月は師走とも呼ばれ、年の暮れであり一年で最も忙しい時期とされる。しかし、農業地域であった鶴ケ島では、さ程でもなかった。農家では、年の瀬の長い夜、縄ないなどの夜なべ仕事に励んだものであった。
一二月は、年の終りであると同時に、新しい年を迎える準備の月でもある。大晦日には年越しそばを食べ除夜の鐘を聞いて、一年で最も大きな節変りを迎える。