ヨシ群落

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ヨシ群落は、湿性植物群落の代表的なものである。上広谷、五味ケ谷、藤金などの大谷川沿いには、草丈が三メートル近いヨシの群落が見られる。流れに沿った地下水位の高い泥土上に成立しているもので、鶴ケ島町における唯一の自然植生といえるものである。
 ヨシは、長い地下茎が泥中に横走し、多数の桿を立てて密生した群落を作り、下層に他の植物がわずかに混生する程度で、ほとんど純群落をつくる(表―17)。地下水位が下がって、やや乾そうしたところでは、オギが混生したりする。また、水田が放置された休耕地にも、ヨシは侵入して群落をつくり、セリなどの種々の湿生の草本が混生する。
表1-17 ヨシ群落の組成
上広谷五味ケ谷藤金
草本第一層高さ(m)3.532.5
植被率(%)859590
草本第二層高さ0.10.50.05
植被率215
出現種数344
第一層ヨシ555
オギ
セリ
オギ
ツボスミレ
アマチャズル
ヨモギ
アシカキ
ヒメジョオン