鶴ケ島の泥炭を掘りおこす

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鶴ケ島の古い植生の変遷や古気候の変化を知る目的で、昭和六〇年五月に、逆木池の東側約五〇メートルのところにある湿地と、藤金の「まんざいろく」下流の給食センターわきの二個所で、ハンドオーガーを使って浅いボーリングをおこなった。
 ハンドオーガーは手回しのボーリング器械で、二―三人がかりで掘りあげるものである。もちろん、とても深いところまで掘れる代物ではなく、今回も両地点で一・五メートルほどで砂利層にぶつかり、そこで掘りどめにした。それでも泥炭土のねばりけと湧水で、試料の採取には難渋した。給食センターわきのボーリングでは、休耕田の田面が、ボーリングの上げ下げのさい、力をいれるたびに大きくゆれて、水田のあぜをゆらすと数枚先のあぜまでゆれる「まんざいろく」のかつての様相を再現してくれた。