3 甲虫類

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 甲虫(こうちゅう)類も種類が多く、筆者が確認した種類だけで約五〇〇種となる。しかし正式に報告されているのは、まだその中のハムシ類だけである。ハムシ類は筆者が専門に研究しているグループであるため、調査も行きとどき、鶴ケ島の所産種はかなり高い率で明らかにされている。しかし、一九八五年に九三種を報告した後、昨年の調査で早くも三種が追加されるという有様で、まだまだ完全な域にはほど遠い。今後の調査でなお一〇種以上は確実に増加するであろう。ハムシ類の中には山地性の種類がいくつか見られる。ハンノキサルハムシ・ルリハムシ・ネギオオアラメハムシ・ヤナギカミナリトビハムシなどがそれである。またトゲアシクビボソハムシ・キイロツブトビハムシ・ヌカキビタマトビハムシ・ヒメセンニンソウマルトビハムシなどいずれも既知産地の少ない種類である。これらのうちヒメセンニンソウマルトビハムシが高倉の林に多産することは注目されてよかろう。
 種類数の多いグループはゴミムシ・ハネカクシ・コガネムシ・タマムシ・コメツキムシ・ケシキスイ・テントウ・カミキリ・ゾウムシなどであるが、まだ、同定の済んでいない種も少なくない。したがって各グループそれぞれの解説は省略し、気のついた特徴的な種のいくつかについて簡単にふれておきたい。

ヨリトモナガゴミムシ 地表で生活するが,自然の残っているところでないと見られない.写真は雷電池の林産.