このコガネムシは平地に多い種類であったが雑木林の減少とともに急速にその姿を消して行った。今日、なお本種の見られるところがないわけではないが、そうした生息地の多くは、八王子市郊外での例のように、低山帯に接する環境にあり、純然たる平地での確認例は皆無に等しい。環境庁の動物分布調査では本種が雑木林の指標昆虫として解説されているが、これは本種のかかる性質に基づいたものであろう。鶴ケ島では一九七八年五月二五日、長久保小学校付近のガマズミの花で本種一頭を得た。しかし、その後今日まで、長久保はもちろん、町内のいかなる地においても本種に再会したことがない。鶴ケ島でもすでに絶滅してしまったのであろうか。