板碑は、本来は死者の冥福を祈る供養塔として造立されたものであることは先述したが、供養にはこの追善供養のほかに、逆修供養と作善供養がある。
(追善供養)死者の苦を除き、冥福を祈るために、生存者が善事を後から追い行って、その功徳を助けることである。
(逆修供養)逆修は「ぎゃくしゅ」と読む。生前に、あらかじめ死後の冥福を祈るため、仏事を営むことである。死後、のちの人にしてもらうより功徳が勝るという。板碑には逆修のため造立することが多い。
(作善(さぜん)供養)作善とは、仏像・堂塔をつくり、または経巻の書写をしたりして、善根(ぜんこん)・功徳(くどく)を積むことである。この供養は、生前に善を施し、死後に極楽浄土に往生できるよう念願することでは、逆修供養と同じだが、この場合には、講中(こうじゅう)など多くの人が結集(けつじゅう)して供養する点でこの名がある。月待・庚申待・念仏供養などである。