蒔田とは、苗を育てて田に植えるのではなく、籾(もみ)種を苗代(なわしろ)(苗を育てる田)に蒔くように、掻田(かきた)(※)に直に籾種を蒔く田のことである。そして、苗が育ってくると、適当に苗を間引きする。しかし、二番草・三番草と雑草を抜き取っても、草の生えることが多いから、五度も六度も取らねばならぬ。このように手間のかかることが大きいから、田の多い所に蒔田はない。川越の西部地方では多くは蒔田であった。従って田植えはなかった。(※掻田=田植え前の田に水を満たし、土のかたまりを砕いて、ならした田)
蒔田について