「蒔き」について

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田畑に蒔く種籾の量によって、田畑の高(生産物の量)を示すことである。すなわち、町・反・畝で示す代りに、何升蒔き、何合蒔きという類である。一般に、一反にはおおよそ五―六升蒔くといわれる。
 当町内村別にて示すと次の如くである。
高倉村下新田村脚折村
田方一反につき八升-一斗六升-七升
畑方一反につき麦種一斗三升一斗三、四升四升-五升

 村によって播種量が異るが、同一村内でも場所や田畑の等級によっても相異がある。田中家の入揚覚を摘記してみると
 田方
  宮田  七升蒔  中田  八畝四歩
  東谷  八升蒔  下々田 五畝二四歩
  宮田  七升蒔  上田  一反一七歩
  天神  一斗蒔  下々田 九畝一六歩
  和田橋 四升蒔  下田  五畝九歩
 畑方
  一天狗 一斗六升蒔  下々畑 六畝二九歩
  宮田 一斗蒔     上畑  五畝二歩
  宮田 九升蒔     ?   五畝九歩
  東谷 一斗四升蒔   下畑  八畝
  高畑 一斗蒔     上畑  七畝一四歩
  境堀 八升蒔     下々畑 一反四歩
  西久保 一斗六升蒔  下畑 一反一畝二〇歩
  〓(うつぎ)花 七斗 下々畑 一反四歩