目次
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通史編
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第四編 近世
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第一〇章 事件簿
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第一節 欠落と久離と無宿
久離(きゅうり)
403 ~ 404
欠落人(出奔人)との親族関係を断ち切ることをいう。勘当と混同されるが、勘当される者は欠落人ではない。現にその家に在宅する当人である。その在宅者を不行跡(ふぎょうせき)のために追出すのが勘当である。
久離すると、願人でもある親類の人は、欠落人が今後犯すであろうと想像される、いろいろの犯罪から、連帯責任を免れることができる。しかし実際には、犯罪の連帯責任というよりも、犯罪にともなう社会的非難を避けることに重点があったようである。