第二節 一揆の行動

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 打ちこわし勢は、日頃抑圧を続ける村役人や、暴利を貪る生糸稼ぎ、穀屋・酒造家・質屋・地主などの豪農層に対して、次のような要求をつきつけた。
豪農に対しては
 1 物価の引下げ、特に米穀の安売り
 2 質物と質証文の返還
 3 質地と質地証文の返還
 4 施し米・施し金 これは、豪農層が富を放出することによって、「世均(よなら)し」すなわち富の平均化を要求するものである。
村役人や一般村民に対しては
 5 「世直し」勢に対する食糧の提供
 6 「世直し」勢に対する打ちこわし人足の提供
  一揆勢の通過する村々では、人足の名目のもとに、打ちこわし勢を増強するために、新しいエネルギーを注入したのである。それで、行く先々で打ちこわし勢は膨張するばかりであった。