第五節 一揆の崩壊状況

438 ~ 438
 「世直し」一揆は、幕藩の軍事力や農兵、組合村防衛の農民らによって鎮圧された。その状況は表―51に示す通りである。
表4-51 慶応二年六月「世直し」勢の崩壊状況
場所幕藩軍事力など「世直し」勢の崩壊
15入間郡宗岡村川越藩散乱
 〃 大久保村 〃 銃隊300人散乱(名栗村辺より押出し,発端本邑の賊首之由)
多摩郡拝島筋八王子千人頭(萩原頼母)逃去
新座郡引又町高崎藩陣屋,発砲一旦散乱,再結集
16多摩郡柳窪村江川農兵(田無村組合)即死8人,召捕人13人,解体
 〃 築地河原 〃  (日野宿・八王子宿・駒木野組合)即死18人,召捕人41人,退散
 〃 入野村 〃  (五日市村組合)945人即死10人,召捕人26人,敗退
新座郡大和田町高崎藩野火止陣屋発砲散乱
比企郡三保谷村川越藩,大砲方出動凡40人捕えられる
17多摩郡小机村農兵即死2人,召捕21人
高麗郡的場村川越藩大砲方散乱
大里郡甲山村組合村・根岸友山の私兵1人即死,逃散
足立郡水判土村関東取締出役(中村・百瀬)四方に散乱
比企郡大黒部村田木他7か村組合即死2人,召捕人35人
 〃 高坂村
18児玉郡小茂田村関東取締出役(木村逸蔵)手負人50~60人,召捕人40~50人
 〃 本庄宿  〃   ( 〃  )手負人100人,召捕人70~80人,即死20人
榛沢郡深谷宿  〃   ( 〃  )召捕人49人
上州緑野郡笛木新町関東郡代(木村甲斐守)即死30人,召捕人300人
19秩父郡名倉・下吉田大宮町自警団,忍藩兵即死4~5人 生捕人34人
  〃   矢畑
  〃   小鹿野
(森安彦『幕藩制国家の基礎構造』より)

 一揆に対する攻撃は熾烈(しれつ)を極め容謝なく打殺し、また逮捕した。