3 村柄を弁(わきま)えぬ助郷割当

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 助郷の人馬は村柄を考えて割当ててもらいたい。肥沃な田地をもち、豊かな生活をしている近くの村が助郷免除となっているのに、赤土の麁田(そでん)(粗末な田地、地味の痩せた水田)しかなく、困窮のわが村方に過当な割当を課するので、百姓は全く困りはてている。
   当村より一八丁も隔たり候えども、真土で上々田の場所もこれあり、殊に百姓の暮し方花麗にいたし候ところ、右等の所へ助郷の御沙汰もこれなく、当村などは野方で赤土の麁田でしかなく、困窮の村方で、粟・稗・芋等を夫食(食糧)にまかりある土地柄、既に当村の新田では養(やしない)料金として、御公儀様より年々肥代等を下しおかれ候ほどの義にて、本村でも右の地続きであるから、麁田に御座候て、悉く百姓は骨を折って難渋まかりあり候。
 このように、脚折村の役人たちは切々と村の窮状を訴えて、何とかして助郷を免除してもらいたいと、嘆願書を提出した。