地押丈量

528 ~ 529
地租改正を実施するに当って、必要な手続は、第一に地押(じおし)丈量であり、第二には地価調査である。地押はまた地詰(じづめ)ともいう。竿と縄を入れて丈量(測量)するが、田畑上中下の位づけや石盛(こくもり)はそのままにしておいて、反別だけを改め、帳簿や絵図と相違がないように確かめることをいう。地押丈量は、地租事業の基本的な作業であった。この地押丈量にもとづいて地引帳が作られた。この帳簿には、地番に従って、所在地の字(あざ)名・地目・等級・面積・所有者名・収穫物の品種と数量・地価・地租額などを記載した。
三等甲
反当米九斗
 字池尻九百拾五番   持主
一田三畝拾五歩     小谷野熊吉
 収穫米三斗壱升五合  百三金四拾三銭四厘
 地価金拾四円四拾五銭 二ケ半金三拾六銭壱厘
         九厘
 
三等甲
反当米九斗
 字池尻九百拾六番   持主
一田四畝廿六歩     小川弁次郎
 収穫米四斗三升八合  百三金六拾銭三厘
 地価金廿円拾銭四厘  二ケ半金五拾銭三厘
 
 これを作製するには、各村で、区長・戸長の指導のもとに、改正係・村総代・土地所有者が参加した。その後、県庁および地租改正事務局の派出官吏の検査を受けて提出した。
 また、同じく地番の順に、土地一筆ごとの状況を地図に描いて地引絵図を作製した。