地価の調査決定

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地租を決定する基準となる地価は、次のような手順をふんで確定された。
 田地一反歩の収穫を金銭に換算し、種子・肥料の代金、および地租・村費の合計を、収穫代金から差引いた残額を純収益とする。これを年利率六分で割ったものが地価である。これを公式で示すと、表―4となる。
 ところで、新地租の高さについては、「地方官心得」に示された検査例によると、田一反歩の収穫米一石六斗、石三円としてその代金四円八〇銭であるが、地租は一円二二銭四厘、村入費は地租の三分一すなわち、四〇銭八厘、地租と村入用を合せると、収穫米代価の三割四分となる。これは、旧貢租にほぼ近い率である。新地租がこのように高率となったのは「方今、多事の際、旧来の歳入にては、現今の経費を給するに足らず」という財政危機に臨んで、「地租改正の始め、先づ旧来の歳入を減ぜざるを目的」とせざるをえなかったからである。