収繭量五〇万キログラムを突破するのは、寄居町・深谷市・熊谷市と児玉郡美里村である。三〇万~五〇万キログラムをあげているのは、その周辺の児玉郡神川町と児玉町、大里郡の岡部町と花園村・川本村で、いずれも県の西北部に位置する。中南部になると、東松山市と比企郡の滑川(なめかわ)村・嵐山町、入間郡の坂戸市、秩父市が三〇万キログラムを突破している。鶴ケ島町が一〇万キログラム以下となっているのは、昭和二八年一〇月一日の市町村合併のさい、単独で残ったからであり、面積の点で他市町村と比較にならない。入間郡南部の台地地方は明治―大正頃までは盛んであったが、近年は東京近郊都市として、蔬菜栽培地帯となり、養蚕地帯とは認められなくなった。
図5-22 埼玉県市町村別の収繭量と養蚕の地位(昭和46年)
(埼玉農林統計年報より作成)
『埼玉大百科事典』より