3 現在の鶴ケ島の工業

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 昭和四八年、二市(川越市・坂戸市)一町(鶴ケ島町)にまたがる富士見地区の区画整理事業が計画決定した。富士見工業団地の造成もその一環であった。
 昭和五一年、日本住宅公団(現、住宅都市整備公団)から出された富士見工業団地の用地分譲の案内には、次のように書かれている。
 
   富士見工業団地は、関係地方公共団体の協力のもとに、坂戸・川越都市計画事業富士見土地区画整理事業によって造成されたものです。この団地は都心から北西四十五kmに位置し、道路輸送・通勤の便が良く、また、周辺地区に幾つかの住宅団地が建設されており、従業員の確保が容易である等、東京近郊工業団地としての特色をもっています。
 この富士見工業団地は、特別工業地域に指定されており、その鶴ケ島町分には、現在は八事業所がおかれ、町全体の事業所中に占めるウェートも小さくない。
 鶴ケ島町の事業所数・従業者数・製造品出荷額等の推移は次表のような伸びを示している。
表5-63 鶴ケ島町事業所の推移
項目事業所数従業者数製造品出荷額(万円)
年別
昭和34201634,387
40462,507534,797
45593,5061,421,481
50983,0004,063,623
551063,2274,342,107
591585,5019,324,721
「工業統計表」埼玉県の工業

 昭和五九年現在で鶴ケ島町の一事業所当りの従業者数・製造品出荷額等は、いずれも県平均の二倍程度となっており、事業所規模の比較的大きいことがわかる。
 用途地域の種類からみると、現在町内には、主として環境悪化をもたらすおそれのない工業の利便を図るための準工業地域が四か所あり、工業の利便を住宅等に優先する工業地域が二か所、工業の利便をそこなうおそれのある建物が建てられない工業専用地域が一か所、環境悪化をもたらすおそれのある事業所の建築を制限する工業専用の特別工業地域が一か所ある。