東上線

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当初、東上線は現在の豊島区巣鴨と群馬県渋川市とを結ぶものとして計画され、大正三年(一九一四)五月には、池袋駅より田面沢駅(川越市。後に廃止となる)までが東上鉄道として開通した。大正五年、川越―坂戸間が開通。路線は更に伸びて、東武鉄道との合併後の大正一四年には、寄居までの東上線全線が通った。東京と上州とを結ぶという当初の計画は挫折したが、寄居で八高線と接続することによりその使命は果したといえる。
 鶴ケ島、名細両村民が待望した鶴ケ島駅の設置は、東上線電化の三年後、昭和七年四月のことであった。鶴ケ島で最初の鉄道駅である。

鶴ケ島駅旧状

 駅開業当時、周辺の大部分は松、杉、檜、雑木の混在した平地林によって占められ、わずかに駅北側に上広谷の一七戸があるといった状態であった。それが戦後の鶴ケ丘の開墾を経て、昭和三〇年代に入ってからは目ざましい発展を遂げるようになる。昭和五八年一〇月には駅西口が開設、新たな段階を迎えている。
 昭和五四年四月、富士見地区の土地区画整理事業の進行と時期を同じくして、東上線若葉駅が開業した。以降、著しい乗降客数の伸びを見せている。