郵便
坂戸郵便局の管下にして日々一回の集配をなすに止まり他より一日の遅着を免れず。不便不利の点少なからざるは遺憾至極なり。
電信・電話
明治四十三年中坂戸郵便局内に電信受継所を設けられたるを以て甚だ便利なり。
(「鶴ケ島郷土地誌」)
坂戸郵便局の開局は明治七年(一八七四)七月のことであり、普通郵便局としては鶴ケ島を含め近隣では現在に至るまで同局があるのみである。郵便差出箱(ポスト)は、鶴ケ島周辺では明治二九年坂戸に置かれたのが最初で、その後大正元年、二年とひとつづつ増設された。
昭和二三年三月、鶴ケ島で初めて無集配特定郵便局として鶴ケ島郵便局が大字脚折に開局した。その後、鶴ケ島駅前郵便局(四三年)、鶴ケ島鶴ケ丘郵便局(五九年)、鶴ケ島下新田郵便局(六一年)が開局している。また、郵便差出箱は、昭和六一年現在町内で一七本が設置されている。
なお、坂戸局における郵便物の配達部数を昭和三年と六一年とで比較すると、表―68の通りである。
表5-68 郵便物配達部数 |
(坂戸局一日平均) |
通常 | 小包 | ||
年 | 普通 | 速達 | |
昭和3年 | 1,382 | 13 | |
昭和61年上半期 | 37,000 | 600 | 420 |
(内鶴ケ島町分) | (17,000) | (160) | (210) |
坂戸郵便局調べ |
坂戸郵便局内で電信業務が開始されたのは、明治四二年(一九〇九)一二月。電話業務は同じく坂戸郵便局内において大正一一年(一九二二)二月より開始された。鶴ケ島にあって最初に電話の引かれた時期は不明であるが、昭和三一年以降は表―69のような加入の増加をみせている。
表5-69 鶴ケ島・坂戸加入電話数 |
地域 | 鶴ケ島 | 坂戸 |
年 | ||
昭和31年 | 17 | 217 |
42年 | 510 | 2,166 |
52年3月3日 | 8,807 | 14,199 |
61年3月31日 | 18,780 | 27,505 |
注:下新田の一部地域は坂戸市分に含まれており,坂戸市厚川,森戸,萱方,四日市場,多波目,西坂戸の一部については鶴ケ島町分に含まれている。 |
坂戸電報電話局調べ 及び「郷土の資料」から作成 |
この間、昭和四二年には坂戸電話局営業窓口が置かれ、更に五二年一月、坂戸電報電話局として開局、総合的な業務を開始するようになった。
鶴ケ島郵便局の旧局舎