大正期は、無産運動や民主主義的な運動が盛んで、いわゆる大正デモクラシーの時期であった。この様な風潮を背景として、教育面でもアメリカなどの教育思潮の影響を受けた自由主義的、個人主義的教育思潮が隆盛した。しかしその一方で、政府の主導の下、教育勅語の理念に立った国民精神の涵養も叫ばれた。
大正四年、大正天皇即位式の際には、各学校で奉祝式が挙行された。鶴ケ島第一小学校の「学校沿革誌」には、以下の様に記載されている。「御即位式は実に千載一遇の大典にして我第臣民此の盛儀に際会するは至上の光栄にて慎重の方法によって本村民と共に小学児童は奉祝式を挙げたり。」第二小では、この記念事業として学童貯金と児童文庫とが創設された。村全体としては、「鶴ケ島教育会」の創立が御大典記念事業の一環として計画されている。