三ツ木の真言宗普門山蓮華院慈眼寺は「永正二年僧法院栄祐開基再建す」と古文書『新編武蔵風土記稿』に語られている。これは今より510余年前のことであり、開山は540余年前と推測される古刹(こさつ)である。
寺の庫裡(くり)前庭に、黒松の老樹が地を這うかのような姿をして参拝者の眼を楽しませている。先端は通行上の都合で伸長抑制してあるが、樹令300年以上と言われ、名木の誉れ高い。
黒這松計測値
目通り 1m(3尺3寸)
樹幹の高さ 2m40cm(7尺9寸2分)
這姿 5m(16尺5寸)
尚、慈眼寺には『新編武蔵風土記稿』に「本尊観音、木の立像にて行基の作と言う」と見える通り、由緒ある仏像がある。鶴ヶ島で『風土記』に名工作の仏像として記されているのはこの寺の本尊ただ1つだけであり、極めて貴重な存在である。