27 道祖神と供養塔

 上新田の家並の西端にある十字路の南角に供養塔と道祖神が祀られている。2基とも今から182年前の天保年代に建てられたもので、道祖神は上新田村中の平和な暮しを守るため建立されたものである。また、供養塔は、上新田村修験行者小川善左衛門が世の平和と安全を神仏に祈念しつつ、関東・東北・関西・四国にわたり祈願の旅を続けあらゆる修行を積み重ね、その供養の為に建立したものである。

 供養塔、道祖神とも高さ2尺3寸(67cm弱)幅9寸5分(29cm)で、部厚い土台石の上に建っている。

 供養塔の台座には道しるべが書かれてあり、江戸時代旅人のよい相談相手の役割を果たしたことであろう。無言のまま自らは風雨に晒されながら辻に立ち、ひたすら人々の道中安全を祈り今に至っている。