66 藤金の馬頭観音

 大字藤金字久保の道沿に、太さ6尺(1.8m)もある黒松が四囲を圧するかの様に立ち、その根元には、240余年を経た馬頭観世音菩薩が祀られていた。藤金村中で馬頭観世音供養のため建立したもので、藤金村の守りとして幾世代にわたり風雨に晒されながら村人の幸を見守って来たことであろう。今は道路改修で字道上の町道沿に石仏は移し祀られている。

 尊像は、高さ1m15cm(3尺8寸)幅43cm(1尺4寸3分)あり、正面に3面の顔、手には古代武器、数珠等の仏具を持っている。

   向って右側面 安永五年丙申八月吉日

    〃 左側面 武州高麗郡藤金村願主当邑中

                   宮沢金左衛門

               鹿山村 橋本平八

の文字が見られる。

 馬頭観音より少し離れて、土団子を供える風習を持つ瘡守稲荷が祀られてある。(第67編参照)