大字藤金字道上の道端に立並ぶ緑の中に、一際目立つ朱鳥居がある。そこをくぐると、御神体が自然石である瘡守(かさもり)稲荷が祀られている。江戸時代から川越~越生間で、「かさ」「できもの」に効く稲荷様はこの瘡守稲荷だけであると伝えられている。この神は「かさ」と「できもの」に霊験があるという。病気の人は早くなおる様土団子を5~7個作って供え、癒ればお礼参りに米団子を上げるという風習が昔から伝わっている。
大正年代までは非常に栄え、団子が沢山供えてあったそうである。現在も団子が上がっている事が間々見受けられるという。
また御礼参りに、稲荷様なので素焼物の狐を供える者もあり、社内には素焼の狐100余体、瀬戸物製狐が納められている。側面には両手を合せた絵馬数枚も見られる。
庶民信仰の盛んであった時代が偲ばれる。