82 天然記念物「大けやき」

 『入間郡誌』のうち白鬚神社の条に「社地に周回二丈七八尺の巨欅あり。」と記されている。ここ大字脚折字下向にある白鬚神社には、樹令900年と推定される御神木大欅があり、昭和7年(1932)3月埼玉県指定天然記念物となり、指定欅8本の内の1本として県下にその名をなしている。当時、幹回り7.2m、樹高36mと登録されている。

 その後90年近くになるが、樹勢衰退、台風の被災等が起因となり、今は鉄骨支柱によって保護措置がなされている。御神木も災害や樹令には抗しきれず、ひたすら今後の手厚い管理が望まれている。

 神社の創立は定かでないが、市内で最も古い歴史を持つものであろう。今から440余年前の天正年代の初め再営されたと伝えられる。その後数次にわたり再営されたことを棟札が語っている。この社は「遠き昔臑折村・太田ヶ谷・羽折・和田・高倉・大六道(上新田)小六道(中新田)七ヶ村総鎮守なりたり。」と『新編武蔵風土記稿』は伝えているが後に臑折村・臑折新田の鎮守となり今に至っている。

 また、神社を中心にして行う古来からの雨乞行事は広く世に知られ、今は国選択無形民俗文化財並びに鶴ヶ島市指定無形文化財となり地元のみならず対外的にも、鶴ヶ島市が誇りうる行事となっている。昭和55年(1980)春には、脚折雨乞保存会に、その活動の地域文化への貢献の顕著であることが認められ、埼玉県知事より「文化ともしび賞」が与えられている。

     雨乞行事・龍の大きさ

  1 重さ 約2トン余

  2 長さ 36m

  3 太さ 6m(頭に近い胴回り)

  4 角の長さ 4m

  5 頭幅 2m

  6 鼻穴 18cm

  7 眼玉 24cm

  8 宝珠の玉 40cm

  9 尾の剣の長さ 1m50cm

  10 頭の長さ 4m50cm

  11 開いた口の直経 1m60cm