90 上新田の庚申塔と馬頭尊

90-1上新田の庚申塔

 上新田の鉄砲道沿に庚申塔が建立されている。江戸時代の庚申信仰が盛んだった頃、上新田で建てたものであろう。今も正月は供物(くもつ)や団子が供えられ、庚申信仰の名残りを受け継いでいる。上新田村中の安全と繁栄を願いつつ、時に場所を移しながら250年以上の歳月を経てきた。

        庚申塔

  石碑面 「庚申塔」の3字。下部に目、耳、口をふさいだ三猿がならぶ

  側面  「明和二年酉二月、村中安全」

  高さ  68cm 幅28cm 台座3段45cm


90-2中新田の馬頭観音

 新町3丁目の調整池の脇に馬頭観音がある。区画整理前は上新田地内にあり、数度の場所替を経て、現在の場所に設置された。今から240年ほど前に中新田講中が建立したものである。

    馬頭観音

  石碑面 「天下泰平 馬頭観世音菩薩 国土安全」

  側面  「安永六丁酉三月吉祥日武刕高麗郡中新田講中」

  高さ60cm 幅24cm 台座3段50cm


※:庚申信仰

  中国道教の説く「三尸説(さんしせつ)」をもとに、仏教や民間のさまざまな信仰、習俗などが絡み合った複合信仰で、江戸時代に一般に流布した。