作品解説
父は音楽の教師、母は声楽家、妻はピアニスト。そして、何よりも自分自身が優れたヴァイオリン奏者でもあったクレー。色と形は穏やかなリズムとメロディーを奏でます。
この〈子供と伯母〉(1937年)は、ナチスの弾圧でスイスに帰国し、しかも難病をわずらっていたクレー晩年の作。悲しみや絶望の中で描かれた穏やかなこの作品です。
作家紹介
パウル・クレー(1879年-1940年)はスイスに生まれ、ドイツで活躍しました。
色彩と線の優れた効果と、高い精神性を感じさせる独自の作風で、20世紀美術を代表する画家の一人です。"
何が描いてある?
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色のかけらと太い線。線と色が織りなす抽象的な画面。ジグソーパズルのようにも見えます。
画面をよく見ると、二人の人物の顔を見つけることができます。
色に注目
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どことなく柔らかい色あいです。
その秘密は、絵の下地にあります。穀物用の袋などに使われる「ジュート」という布にの上に石膏が塗ってあります。拡大してみましょう。これが独特の色の柔らかさを生んでいます。
その秘密は、絵の下地にあります。穀物用の袋などに使われる「ジュート」という布にの上に石膏が塗ってあります。拡大してみましょう。これが独特の色の柔らかさを生んでいます。
かたちに注目
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観察を続けると、二人の人間以外にも色々なものが見えてきます。
山、ビスケット、アルファベットの文字、ゾウ、音符、看板・・・
人間の顔だって、別のものに見えてきませんか?
同じ部分でも、見る人によって違って見えることもあります。見る人の数だけ正解があります。
山、ビスケット、アルファベットの文字、ゾウ、音符、看板・・・
人間の顔だって、別のものに見えてきませんか?
同じ部分でも、見る人によって違って見えることもあります。見る人の数だけ正解があります。