石器石材の獲得と交流

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 千葉県は、黒曜石など石器に用いられる石材を、ほとんど産出しない地域です。
 しかし、石器を主として使用された時代の遺跡が少ないことはなく、むしろ相対的に良好な自然環境のもと、多くの遺跡が存在していることが発掘調査の例からも知られています。
 旧石器時代の人々は、食料となる動物や植物を求めて移動生活を営んでいましたが、目的には原石の獲得もあったとも言われています。伊豆諸島神津島(こうづしま)産の黒曜石なども各地域で見られることから、各地における人々の交流により遠方の物資が流入していたとも考えられます。
 八千代という地域も、活発な旧石器時代人の重要な活動地域としてあったことが、遺跡の発掘から見ることができるのです。

石器石材の流入経路 (八街市郷土資料館提供)