縄文時代のくらし

7 ~ 7 / 41ページ
 縄文時代を特徴づけるのは、時代の名称にもなっている縄文土器です。
 縄文時代が始まった約1万3千年近く前と、終末を迎えた3千年近く前まで、器形や文様、土器の種類などは頻繁に変化しました。
 萱田遺跡群の権現後遺跡から出土した土器は、約1万年近く前のもので、表面には縄文の一種である撚糸文がほどこされ、底部は丸底で、約30cmに復元されました。また、同ヲサル山遺跡のものは表面に縄文が施され、高さ31cmで平底の約4千年近く前の土器です。

権現後遺跡出土深鉢


ヲサル山遺跡出土深鉢

 日常の道具としての石器類は多種にわたりますが、主なものとして土堀具であった打製石斧、伐採用のおのである磨製石斧、弓矢のやじりである石鏃などがあります。

打製石斧(ヲサル山遺跡)


石鏃(権現後遺跡)

 大和田新田オイノ作南遺跡は、縄文時代前期後葉、約5千5百年前のマガキ、ハマグリ、サルボウ、ウミニナで構成される小規模な貝塚を伴うムラで、竪穴住居24軒が確認され、漁網の錘とされる土器片錘(どきへんすい)や石匙(せきひ)に加え、今日のお守りのような役割であった、土製の玦状耳飾(けつじょうみみかざり)や玉などの装身具が出土しています。

竪穴住居跡(ヲイノ作南遺跡)


住居内の小規模な貝層(ヲイノ作南遺跡)

 縄文人は印旛沼を利用し周辺のムラなどと交流しましたが、使用された丸木舟が、昭和25年11月印旛沼干拓工事中に、保品の大江間遺(おおえまいせき)跡で地表下1.6mの泥炭層中から発見されました。
 材質はカヤで、横張りを持つ構造で、全長6.54mの規模です。周辺から出土した土器から縄文時代晩期と推定され、木材を焼きながら加工した痕跡が見られます。この丸木舟の複製品は、当館で展示されています。

丸木舟の出土状況