現在、初詣客の上位に毎年数えられる成田山新勝寺は、天慶(てんきょう)3年(940)に、平将門(たいらのまさかど)の反乱を仏の力を使って鎮めるため、朱雀(すざく)天皇の勅命(ちょくめい)を受けて寛朝大僧正(かんじょうだいそうじょう)が開山しました。本尊は不動明王(ふどうみょうおう)で真言宗智山派(しんごんしゅうちさんは)の寺院です。新勝寺の名が広く知れ渡るようになったのは、江戸時代中期に照範上人(しょうはんしょうにん)が住職になってからです。宝永3年(1706)に京都嵯峨(さが)の大覚寺(だいかくじ)の末寺となり、新しく本堂(光明堂(こうみょうどう))を建立しました。また、江戸深川(ふかがわ)の永代寺(えいたいじ)で、秘仏の不動明王の出開帳(でかいちょう)(出張公開)を何度も行うなどして、江戸庶民に新勝寺の不動明王の御利益(ごりやく)を説きました。