住宅団地開発の背景

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 昭和30年代、戦後の長年の不況下の日本経済は神武景気により景気回復の兆しが生じ、同31年の経済白書では「もはや戦後ではない」といわれ、高度経済成長期へ突入しました。
 首都圏、大都市を中心に工場地帯が建設され、多くの人々が都市に流入しました。千葉県の人口は著しく増加し、県北西部における住宅不足を引き起こしたのです。昭和28年に千葉県住宅協会(後の千葉県住宅供給公社)が設立され、昭和29年、全国初の住宅団地である八千代台団地の開発が始まりました。
 当時の市域は町村合併により八千代町が誕生したばかりで、人口は1万5千人程度、人口の伸びも近隣と比較して高くありませんでした。しかし、用地買収の費用がきわめて安く、広大な土地を有し、首都圏40km以内、八千代台駅建設の見通しがあったため、団地の候補地として選ばれたのでした。八千代台団地の建設が契機となって住宅金融公庫の融資制度も確立し、全国に続々と住宅団地の造成が始まりました。