一 九州の気候区

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 九州の気候は、気温の地域による差が夏は小さく、冬は大きいという特徴がある。一月の平均気温六℃、年降水量二〇〇〇ミリメートル。一月の日照時間一五〇時間を基準にして、七気候区に分類されている。すなわち、①日本海型気候区、②内海型気候区、③西海型気候区、④内陸型気候区、⑤南海型気候区、⑥山地型気候区、⑦亜熱帯型気候区の七気候区である(福岡管区気象台、一九六四)。以下、これら七気候区の概要について述べる。


図1 九州の気候区分(福岡管区気象台,1964)


日本海型気候区

行橋市をはじめ、福岡市・北九州市および京築地方、佐賀県北部、山口県西部および北部がこの気候区に属する。

 行橋市の気候は、日本海型気候区と内海型気候区の中間的気候区の要素を持っている。このことは、行橋市が地形的に盆地を形成しているためと考えられる。

 日本海型気候区の特徴は、年平均気温一五~一六℃、一月の平均気温六℃以下でほかの気候区に比べて寒い。年間降水量は平均一七〇〇ミリメートル前後で、内海型気候区に次いで少ない地域である。また、この気候区の大きな特徴の一つは、冬季に曇りや、雨の天気が多いこと、北西の季節風をまともに受けて、風の強い日が多いことなどである。しかし、行橋市域は、市北部に平尾台(四〇〇~六八〇メートル)、同西部には福智山(九〇〇・六メートル)の山塊をひかえる盆地を形成しているため冬季の季節風の影響を受けることはなく、盆地特有の気候を持っている。また、梅雨期の降水量は南からの影響を強く受け、福岡市と鹿児島市の中間的降水量を示している。行橋市の年平均降水量も福岡市の一六三二・三ミリメートルに対して、一八二一・一ミリメートルと多く、日本海型気候区としてはやや多い値となっている。


内海型気候区

大分県東部と山口県の瀬戸内海に面した地方がこの気候区である。全国的にみれば瀬戸内海型気候区の一部である。年間降水量は一四〇〇~一六〇〇ミリメートルで、年間降水量の最も少ない地域である。日本海型気候区との大きな違いは、冬季の季節風が弱く、晴れの日が多いことである。


西海型気候区

壱岐、対馬を除く、長崎県と熊本県の西部、それと鹿児島県の西部を含む一帯である。

 この気候区の特徴は、年平均気温が一六~一七℃、一月の平均気温は六℃以上、年間降水量は二〇〇〇ミリメートルを超えるところが多いことである。海に面した沿岸部では、対馬暖流の影響で、海洋性気候の特性が顕著である。


内陸型気候区

有明海に面した佐賀平野、熊本平野および福岡県の筑後平野がこの気候区に属する。周囲を山地に囲まれた地域で、年平均気温は一五~一六℃であるが、夏の暑さや冬の寒さはともに厳しく、特に、夏八月の平均気温は、南九州の鹿児島、奄美大島より高い。また、この地域は一日の気温変化も大きい。年間降水量は一九〇〇ミリメートル前後で、風は他気候区に比べると弱いのが特徴である。


南海型気候区

宮崎県、鹿児島県の東半分がこの気候区になる。

 この気候区の特徴は、高温多雨である。冬季は日本の太平洋沿岸地方に共通の晴れの日が多い。年平均気温は一七℃前後である。一月の平均気温は七~八℃と暖かく、雪の降る日が少ない。年降水量は二〇〇〇~三〇〇〇ミリメートル以上に達する。


山地型気候区

九州中央部、山口県の山地などがこの気候区に含まれる。

 年平均気温は一四℃以下で、一月の平均気温も四℃以下である。一一月から四月末までは霜が降り、一二月から四月までは雪が見られる。年降水量は二〇〇〇ミリメートルを超える。特に九州山地の南東部では三〇〇〇ミリメートルを超える所もある。


亜熱帯気候区

黒潮本流中に点在する小さな島々や、種子島、屋久島地方から奄美諸島にかけての地域がこの気候区に属する。

 この気候区の特徴は、年平均気温が一九~二二℃で、一月の月平均気温は、種子島、屋久島ともに一一℃以上で、奄美地方では一四℃以上となる。八月の最高気温は三〇~三二℃で、ほかの気候区に比べて寒暖の差は著しく小さい。年間降水量は、屋久島から奄美大島にかけては三〇〇〇ミリメートル以上で、特に屋久島は雨の多いことで有名である。