4 放射年代

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地質時代区分

地質学は四六億年という長大な時間をへてきた地球の歴史を扱う学問であるので、時代区分が一つの基礎になる。すでに一九世紀にその基本が確立された地質時代区分(表1)は、特徴的な生物の化石(示準化石)によって定義されている。したがって、表される年代は相対的なものである。

放射年代

ある地質時代が今から何年前であるかを表す絶対年代は、その時代に生成した岩石・鉱物の放射年代を測定して求められる。一八九六年に元素の放射能が発見され、ある元素(正確には原子核の種類、つまり核種。親核種)は自然に壊れて、ほかの元素(娘核種)に変わることがわかった。

 このような放射性元素を含む放射性鉱物では、時間の経過につれて、当初含まれていた親核種が一定速度で壊変して無くなる一方、代わって、新しくできた安定な娘核種が鉱物内に蓄積し、その量が次第に増えていく。親核種が壊変する速度(壊変定数)は既知であるので、親核種の減った量、つまり娘核種の増えた量を測定すれば、その鉱物の放射年代を求めることができる。

 この測定法は一般に、親核種と娘核種の元素名で呼ばれる。例えば、K-Ar法は親核種40Kの娘核種40Arへの壊変を利用した方法である。


放射年代の測定

北部九州の花崗岩類については、K-Ar法・Rb-Sr法・U-Pb法などによって黒雲母・普通角閃石・閃ウラン鉱などの放射年代が多数測定されている。一九九一年までの資料では、放射年代値は七八〇〇万年前から一億二五〇〇万年前に分散している(唐木田、一九九二)。地質時代でいうと後期白亜紀の初期にあたる。

 今回の市史執筆のための調査の過程で、真崎花崗岩のK-Ar黒雲母年代が新たに測定され、九五〇〇万年前という値が得られた(表2)。また、これまでに知られている平尾花崗閃緑岩と真崎花崗岩の放射年代は表3のようである。


表2 真崎花崗岩のK-Ar黒雲母年代


表3 平尾花崗閃緑岩と真崎花崗岩の放射年代測定値

 両岩体の形成年代を、同じK-Ar黒雲母年代の平均をとって比較すると、平尾花崗閃緑岩は一億一〇〇万年前で、真崎花崗岩の九四〇〇万年前よりは七〇〇万年ほど古い。この年代関係は、真崎花崗岩が平尾花崗閃緑岩に貫入しているという地質関係とまったく整合的である。