行橋市は福岡県の北東端に在り、東は周防灘に臨んでいる。広い京都(みやこ)平野の中心部を占め、歴史上、古代北部九州の中心的位置にあった太宰府地方と内陸交通路で通じ、東は瀬戸内海を航行して近畿地方に連絡する東西交通の中継的位置にある。このような地理的位置を占めていたことが古来、政治・経済・文化史上の京都地方の歴史的活動の性格付けにも大きく影響を与えていることは否定できない。本巻は行橋市域の原始・古代について、必要に応じては近隣地域にもふれながらその歴史を叙述しようとするものである。
行橋市の歴史・地理的位置