現在、三世紀後半から七世紀まで、日本列島の東北南部から九州南部に至る地域では墳丘をもった古墳が数多く造営されたことが周知されている。この時代を考古学上”古墳時代”と呼んでいる。通じて四〇〇年以上の期間であるから、その間の時間的推移のなかで、思想的、社会的にも推移を生じて古墳文化にも変化がみられた。そこで古墳時代をいくつかに区分することになったが、これまで広く通用しているのは三区分法(前期・中期・後期)と二区分法(前期・後期)である。いずれも研究史上、その中心となった近畿地方の古墳文化を拠(よ)りどころに組み立てられたものであった。