古墳時代の竪穴(たてあな)住居は、弥生時代からの伝統を受け継いでおり、平面形は方形または長方形で、ベッド状遺構をもつものもあり、屋根を支える柱が四本あるいは二本あるものが一般的である。
五世紀に入ると、かまどを付設した竪穴住居が現れる。当初は、朝鮮半島からの渡来人が自分たちの住む竪穴住居に取り付けていたものが、やがて六世紀になると、広く一般に普及していった(写真3・4)。
行橋市内では、古墳時代に属する遺跡としては、五世紀代の集落と、六世紀後半から七世紀初頭にかけての集落が、これまで多く発掘調査の対象となってきた。そこで、両時期を代表する各二遺跡の特徴をみてみよう。