上述した祭祀遺跡から発見される遺物について故大場磐雄氏は六種に大別し、さらに各種について次のような細分類を示している。
(イ)土器 ①土師器、②須恵器、③祭祀用小形土器
(ロ)土製模造品 ①鏡・円板、②勾玉・丸玉・管玉・棗玉③匙形品・歯車形品、④臼・杵・匏・柄杓・案・箕・有溝円盤、⑤小形魚類
(ハ)滑石製模造品 ①臼玉・勾玉、管玉など、②剣形品、③有孔円板品・不整板形品類、④紡錘車・刀子・その他、⑤馬形・人形・船形
(ニ)金属製模造品 ①鑑鏡、②鉄器類
(ホ)子持勾玉
(へ)土馬
大場氏のこの分類は一九二〇年代に示されたもので、今日でもほぼその要点をつくしているが、その後今日まで各地で発見されたものを参考にすると、なお二、三を追加することができる。たとえば(ニ)金属製模造品の項に③馬形・人形・船形を、(ヘ)土馬の項に土製人形を加えておこう。
京築地方の古墳時代祭祀を示す遺物の発見地には、先にあげた祭祀遺跡のうち、住居付属祭祀、古墳付属祭祀、祭祀遺物発見地の三種があげられる。