今井津

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 山口市熊野神社旧蔵の梵鐘(ぼんしょう)に応永二一年(一四一四)とともに鋳工今居藤氏昌久の銘が刻まれている。この今居とは、行橋市今井のことである。伊勢神宮御師(おし)橋村氏の享禄五年の御払帳(おばらいちょう)に、御師が「豊前国いま井の福島七郎左衛門」を訪れたことが記されている。この頃から今日の行橋市今井に当たる今井津の地名が頻繁(ひんぱん)に出てくる。今井津は祓川の河口付近一体をさし、今居津とも書く。祓川(はらいがわ)左岸の集落をさす狭義の今井および金屋(かなや)から祓川右岸の真菰(まこも)、元永(もとなが)、沓尾(くつお)などをさす。