豊前国では古代以来、銅、鉛、鉄などを含む鉱石の採掘は田川郡香春町(かわらまち)、規矩郡徳力(とくりき)、呼野(よぶの)、そして、京都郡浦河内(うらかわち)などで行われていた。これら鉱山では山元製錬といわれる精錬が行われていた。製錬跡は今でも金山(かなやま)地名として残っている。香春町や小倉南区呼野では間歩(まぶ)や製錬の際にできる滓を確認できる。勝山町浦河内でも、時代は下りそうであるが間歩や製錬(せいれん)跡を確認できる。このような山元で製錬された鉄・銅などの金属は今井など各地の鋳物師のもとへ持ち込まれたものと思われる。